株式購入の二つの究極的理由

 株式を買う理由は突き詰めれば次の2つのうちのどちらかです。

・株価が上昇するから

・株式が割安だから

「株価が上昇するから」という理由は、明快です。今日の株価よりも明日の株価が、あるいは1ヶ月後、1年後の株価が上昇するから買う。その根拠は純粋に直近の株価が上がっているからでも(モメンタム)、下がっているからでも(リターンリバーサル)、株価と出来高によるシグナルでも(テクニカル分析)、あるいはTOBやMBOからの期待でも(イベントドリブン)、材料性やテーマ性でも(材料株)、はたまた仕手の存在であっても(仕手株)構いません。とにかく、株価が上昇し、十分に上昇したところで売ることが、株を売買する理由の一つです。

「株価が上昇するから買う」の明快さに対して、株式の割安さ――単なる安さや値頃感ではなく――で株式を購入することは、少しわかりにくい部分があります。割安な株を買う理由は、それが株価上昇の要素になるからではありません――もしそうなら、それは「株価が上昇するから」という理由で買っているのです。株式が割安だからという理由で買う場合の、わかりやすい例をあげるとすれば、「絶対に株価が上昇も下落もしないが、配当利回りが確実に100%の株」です。その株は、株価が上昇しなくても、間違いなく割安だと言えますし、買う価値は大いにあるでしょう。

どちらが良いというわけではありません。しかしその二つの理由は、ときに重なりつつも、本質的には別物であり、別物であるからこそ、判断に迷うときが頻発するのです。


あなたの売買はどちらの理由でしょうか。

0 件のコメント :

コメントを投稿